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宇宙先端活動研究会とは
 宇宙先端活動研究会は、宇宙開発の将来について、自由な発想に基づく議論を行う場として1985年に設立されました。(設立趣意書
 組織に縛られない、より自由な発言の場を確保することを基本に、機関誌(宇宙先端活動研究会誌)の発行を中心に活動を続けてきましたが、2001年に活動を休止し現在に至っています。会員は、旧宇宙開発事業団(NASDA、現JAXA)他の宇宙開発関連機関と関連企業の職員が過半を占めましたが、一般会員も入会していました。最盛時の会員数は約400名です。
 宇宙先端活動研究会誌に掲載された論文等の範囲は多岐に亘りますが、研究会設立時には我が国で本格的に取り組むことが難しいと考えられていた、有人ミッション、深宇宙探査(特に月ミッション)、宇宙往還機などへの強い志向がありました。現在、我が国の宇宙開発は、国際宇宙ステーションに一極として参加し、ワールドクラスの地球観測衛星と科学衛星を運用し、月探査と小惑星サンプルリターンを何とか成功させるところまで来ています。研究会休眠の背景のひとつに、夢でしかなかったミッションが現実のプロジェクトとして立ち上がって来たことがあると考えています。しかしながら「日本版スペースシャトル」と呼ばれたHOPE計画は中止され、再開の目処はありません。また、HTVは有人仕様の国産宇宙機ですが、全て自前で有人活動を行う技術はいまだに獲得できていません。その意味では、まだ夢半ばといったところです。宇宙先端活動研究会が日本の宇宙開発の歴史にどれだけの影響を与えられたか、については後世の評価にお任せしたいと考えます。

  2017年12月 記
  福田徹(宇宙先端活動研究会 元事務局長)